
魔法使いと言われた歴史上の人物でハリーポッターにも登場するアグリッパについてまとめました。
歴史上、アグリッパという名前の有名人は複数いますが、魔法使いの要素があるのはルネサンス期ドイツのコルネリウス・なので、ここではそのアグリッパについてまとめています。
コルネリウス・アグリッパのハリー・ポッターの物語での登場
アグリッパは第1巻「ハリー・ポッターと賢者の石」に登場。
蛙チョコレートにおまけで付いてくる魔法使いカードに印刷されている。
ロン・ウィーズリーは、アグリッパのカードを一枚も持っていないので欲しがっていた。
実質アグリッパのカードは存在はわかっていても、登場は一度もない。
その他、ビデオゲームではアグリッパについて多少の設定があるが、原作にはこれ以外では登場しない。
コルネリウス・アグリッパのドイツ語・英語名
【日本語名】コルネリウス・アグリッパ
(本名:ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ・フォン・ネテスハイム)
【ドイツ・英語名】Heinrich Cornelius Agrippa von Nettesheim
コルネリウス・アグリッパについて
アグリッパは、1486年にドイツで生まれ、1535年没。
16世紀ルネサンス期を代表する知識人であり、魔術師、人文主義者、神学者、法律家、軍人、そして医師として多彩な顔を持つ人物。
貴族の血筋ともされ、ケルンやイギリス、イタリア、フランスなどヨーロッパ各地で活動した。
コルネリウス・アグリッパの実績
アグリッパの最大の業績は、ルネサンス期の魔術思想を体系化した著作『オカルト哲学について(De occulta philosophia)』を著したこと。
この本、フィチーノのヘルメス主義的魔術やピコ・デラ・ミランドラのカバラ魔術を継承し、当時の神秘主義思想を整理・発展させた。
また、「諸学の空しさについて」という著作で、当時の学問や隠秘学(オカルト)に対して批判的な立場も示している。
さらに、アグリッパは医師としても活動し、魔女狩りが盛んだった時代に、魔女とされた人々を救おうとした。
弟子のヨーハン・ヴァイヤーに多大な影響を与え、ヴァイヤーは後に魔女狩り批判の先駆者となった。
コルネリウス・アグリッパが魔法使いだと言われた理由
アグリッパが「魔法使い」と言われる理由は、彼の著作『オカルト哲学について』が、当時の魔術・神秘学の体系書として広く読まれたため。
この書物は、自然界の隠された力や象徴、天体の影響、言葉や図形の力などを理論的に整理し、魔術を理論と実践の両面から解説している。
これにより、彼は「稀代の大魔術師」として名を馳せた。
また、彼自身が魔術の研究を行い、時に8日間も書斎にこもって研究に没頭したという逸話も残っている。
そのため、当時の人々からは魔術師・魔法使いとして恐れられたり、敬意を持って語られたりした。
さらに、魔女狩り批判を公然と行ったことで、魔女狩り推進派から「魔術師」というレッテルを貼られることもあった。
弟子のヴァイヤーが魔女を弁護した際にも、「アグリッパの弟子だから魔女の仲間だ」と非難されたほど、アグリッパの魔術師としてのイメージは強かった。
このように、アグリッパは魔術思想の体系化と実践、そして社会的な活動を通じて、今なお「魔法使い」として語り継がれている。